倉敷・大原別邸に咲く林檎の花。

イヤープレート

今年、田窪恭治は倉敷市にある大原美術館・大原別邸の障壁画に取り組んだ。このパーマネント・コレクションの壁画をモチーフに描き上げたのが、2012年のイヤープレート「大原別邸に咲く林檎の花」である。例年どおり有田の白磁に呉須のコバルトブルーの線で描かれている。東日本大震災の最中に、東京都現代美術館「田窪恭治展 風景と芸術」で、初めての包括的な展示を成し遂げた田窪はその足で大原美術館での個展を開催した。その間に製作したのがこの2012イヤープレートであり、田窪の東日本大震災への鎮魂と祈りを込めた作品である。製造は宮内庁御用達の深川製磁、伝統ある白磁と呉須のブルーは見事である。

田窪恭治氏  
田窪恭治 Takubo Kyoji

1949年生まれ。多摩美術大学卒業後、国内外の画廊や美術館などで発表多数。
1989年から1999年まで実施した「サン・ヴィゴール・ド・ミュー礼拝堂再生プロジェクト」により「芸術・文化勲章オフィシェ」(フランス)、「村野藤吾賞」(建築)など受賞。
著書に「林檎の礼拝堂」(集英社)、「表現の現場」(講談社)などがある。

田窪恭治オフィシャルサイト