2016年版のイヤープレートで田窪は珍しく日本画の画題に挑んだ。60歳を過ぎ、そろそろ枯れた心境になるのだろうか。それとも心機一転、新しい世界へと歩みを進めるのだろうか。北陸新幹線の開業に伴い進んでいる飯山駅周辺の開発プロジェクトにも参画し、新しい風景芸術の世界を展開しつつある。どんなランドスケープが飯山の街に現れるのか楽しみである。
今年のイヤープレート「梅」を創るに当たり田窪は以下のようなコメントを寄せている。
『万葉の昔から「梅」は日本人が愛してやまない花です。梅の木に鶯が留りさえずり春を告げる景色は今でも私たちの心を和ませる風景です。2016年のイヤーズプレートは「梅」の花びらを描きました。私自身初めて挑戦する画題です。こじんまりとまとまらないよう意識して自由に描きましたが、有田焼の名窯「深川製磁」、呉須で描いた梅が透き通る白磁の中に浮かび上がりました。飾るもよし、使うもよし。みなさまの自由な発想でご利用いただければ嬉しく思います』